ホスピタウン便り |
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VOL33 (平成14年4月) |
天は自ら助くる者を助く世界中の人々がまちに待った21世紀になり、今年で2年目を迎えます。(解釈によっては1年ですが…。)世界中の人々が21世紀に夢と希望を抱き、平和と繁栄を期待していました。
しかし、ミレニアムのカウントダウンが終わって2年も経たないうちに9月11日、ニューヨークの世界貿易センタービルがテロにより破壊され、その結果アメリカがアフガンに進攻しました。また中東ではイスラエルとパレスチナの先の見えない戦いに入り中東平和の灯火も消えつつあります。一方、日本国内ではBSE(狂牛病)が発端となり食材のルーツの不透明感が明らかにされ、国民の食材に対する不信感が強まりました。また、平成14年3月現在、日本経済はデフレによる失業率の上昇や、政治的には外務省に端を発した政治不振と混乱などにより、景気悪化が進みデフレ・スパイラルに陥る傾向にあります。
21世紀は混沌と混乱で始まりました。それは決して豊かで平和な21世紀を予感させるものではありません。同時に私達個人個人、あるいはその集合体である、家族、会社の混沌でもあり、不安定性からの混乱の可能性も示しています。
豊かな時代には能力が低く、努力も少なくとも個人も会社もやって行けました。しかし、この混乱と混沌、不況の21世紀の始め、そのような甘い時代ではなくなりつつあります。このような時代こそ昔からの格言の奥深さを理解し、それを日々に実行しなければなりません。
その格言の一つに、「天は自ら助くるものを助く」があります。
サミュエル・スマイルズという人が書いた「自助論」という本の書き出しです。この格言は、自分の力で努力する人には、天が援助を与え、成功に導いてくれるという意味です。どのような厳しい環境下でも自分で自分を助けようとする精神こそ、その人間をいつまでも励まし、元気づけます。
もう一つは、「人事を尽くして天命を待つ」です。
人としてできる限りのことをし、やるだけのことはやって、あとは運を天にまかせる、という意味です。
この二つの格言に基づいて言えることは、常に、周囲の環境にかかわらず天から与えられた運命に感謝し日々にベストを尽くして悔いのない人生、運命を送ることです。
21世紀は、日々努力を怠らない人や企業は、その先、時には天(神)は私達に少しだけでも幸せのウインクをしてくれるかもしれません。
私達医療施設も医療改革の荒波にさらされつつあります。今こそ私達も二つの格言を胸に、謙虚に且つベストを尽くし社会に貢献したいものです。