ホスピタウン便り |
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VOL34 (平成14年7月) |
花とエンジェルのテーマパーク
医療法人真誠会 社会福祉法人真誠会 理事長 小田 貢
真誠会医院では開院以来、医療にとって環境が非常に大切な要素であるという概念で「ヒーリングスペース(癒しの空間)」の実現に努力してまいりました。
今回その総仕上げとして平成
14年6月6日に『花とエンジェルのテーマパーク』を開設しました。真誠会医院の外壁や入り口に、職員が協力し合って手塩にかけ育てた鉢植えの花を、たくさん飾りました。毎日水をやり、傷んだ花を摘み取って維持管理しています。花の美しさと香りは患者さんを優しく迎え、優しく送ってくれます。花は私たち職員の足りない愛を補充し、患者さんの心を励ます役割をもっているのです。花も私たちスタッフの一員なのかもしれません。花は建物の唇であり微笑そのものだと思います。
真誠会医院の入り口に一歩足を踏み入れると、多方面から集められた、幸せの使者・エンジェル達の厳選されたコレクションを多数展示しています。大型のものではエンジェルの大時計(ホールクロック)から、小さいものは小人のエンジェルが使うようなミニチュアのコーヒーカップがあります。壁面にはエンジェルの絵画を展示しており、エンジェルグッズの数は
200点以上にものぼります。5月末には、外来の床を落ち着いたブルーのカーペットに敷きかえ、吹き抜けの天井にはクラシックなシャンデリアを取りつけました。全体の雰囲気はヨーロッパ調に変わったと思います。
昨年開設した外来のミニ図書館もたくさんの患者さんからのご寄付もあり、現在では
2000冊以上となって更に充実しています。図書は貸し出し簿に記入することもなく、気に入った本があれば自由に家に持ち帰って読むことができます。これらの本からも、また新しい情報が得られたり、人生について新たなヒントが見つかるかもしれません。花とエンジェルをテーマにした環境の中、患者さんにくつろいでいただくことで診察までの待ち時間を、「苦痛の時間」として感じられる思いが少しでも緩和できればと思っています。そして、この時間がむしろ「治療の入り口、治療の序奏」となり、患者さん一人一人にとって少しでもより有意義で何かを得ることができる時間、そして新しい人生のきっかけを見出せる時間になることを願っています。患者さんが受診、治療を受けて自宅に帰られた後で、病気に対する不安感が思い出されるのではなく、音楽や、アロマテラピーの香り、エンジェルの優しさ、花の美しさが患者さんの五感を刺激することで、心の癒しとなることが真の医療(心の治療)ではないかと考えます。
この「花とエンジェルのテーマパーク」は一般の方々にとっても心をリフレッシュできる憩いの場所として広く利用されることを望んでいます。
たくさんの皆様方に会いに来ていただくことが、花やエンジェル達にとっても大きな喜びだと思います。