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ホスピタウン便り

VOL54 (平成21年1月)

今こそ私たちが社会に示す大切なもの


ホスピタウン便りvol54

 平成20年8月アメリカのサブプライムローンの破綻をきっかけに、アメリカ経済の金融危機が起こり、それが−瞬のうちに全世界へ波及しました。
 日本でもその影響は大きく、自動車をはじめとする輸出産業は円高とあわせてのダブルパンチを受けました。この経済危機は、平成21年には私たちの家庭の経済においても強い影響を与えると思います。
 そして医療福祉の世界もその不況の影響を受けると思います。人によっては体調が悪くても病院へ行かないで我慢をする人もあるでしょうし、家族に十分な介護をしてあげたくても経済的な理由でそれがしてあげられなくなる家庭も出てくると思います。
 医療福祉の世界ではただでも赤字で国の税収入が少なくなれば、当然診療報酬、介護報酬の増加は期待できません。平成21年には介護報酬の改善がなされるとのことですが、介護士などのスタッフの仕事に十分な待遇を可能にするものではありません。給食の材料費、光熱責、人件費も上がります。一方では患者さん、介護保険利用者の皆さんへのサービスの低下は絶対に避けることが出来ないのが問題です。それどころか医療の質、介護のサービスの質はますます競争が激化しています。
 しかしながらこの不景気な時代がすべて悪いわけではありません。景気がよく、時代が猛スピードで発展してきたときと違い、今はじっくりと足元を見ながら、一歩一歩確実に歩んで進むことが出来るのです。私たち個人個人も、社会全体としても景気の良いときには贅沢をしながら無駄に物を使っていたかもしれません。(飽食、食べ残し、過度の冷暖房など‥。)不景気なときこそすべてのものの価値を見直し、質素な食べ物(その多くは健康的)で、質素な暮らしが出来るチャンスであり、会社も無駄を見直し節約の大切きに気づくチャンスでもあるかもしれません。それは、とりもなおさず私たちの健康を見直し、心身の健康を取り戻す機会だと思います。
 耐えることによって本物の価値観が見つかると思います。この緊急危機、不景気をポジティブに受け取り、ポジティブに生きるようにしたしヽものです。
 そして出来れば私たち医療福祉に身をおくものは、今こそ私たちの医療介護の実践で常に価値が変化する金銭的、経済的なものと異なった、絶対的な価値のある”心””思いやり””愛”の大切さを社会に示したいものです。

    ホスピタウン代表 医療法人真誠会 理事長  小田 貢

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